2009年 10月 05日
イベント第3弾!
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公開第3週を迎え、なお大勢の皆様にお越し頂いている
『ライアン・ラーキン 路上に咲いたアニメーション』。
10月3日(土)には、恒例の週末トークショー第3弾を行い、
この日も満席に膨れあがったライズX
(またしても入場頂けなかった皆様、申し訳ありません!!)に、
ゲストの黒坂圭太さん(写真・左)、原田浩さん(同・右)をお迎えしました!
黒坂さんは、数々の国際アニメーション映画祭で受賞歴をお持ちで
海外でも高い評価を得られているアニメーション作家であり、現在は武蔵野美術大学で後進を指導する教授でもいらっしゃいます。
そして原田さんは、「ドラえもん」「めぞん一刻」などの原画、動画を手掛ける一方で、自身も監督作を送り出されているアニメーション演出家。
監督作『地下幻燈劇画 少女椿』はファンの間で熱狂的な支持を受ける伝説の作品です。
今回の上映に当たり、初めてライアンの作品をまとめてご覧になったというご両人ですが、
お二人とも作品に感銘を受けられたようで、その想いを熱く語っていただきました。
作品を観て一番驚いたこと、として
「手書きで描いたことによってできる紙の皺。普通は“その皺は夢を壊すから絶対直せ”って言われるんですよ。ところがライアン・ラーキンをスクリーンで観たら、皺をそのまま撮っていた。それがすごく魅力的で、生々しく、人間味に溢れてるな、と思いましたね。」と、原田さん。
一方、黒坂さんは
「昔、絵を習っていた頃に好きだったのが、明治の画家の青木繁。あの人もやっぱり20歳前後くらいで明治の日本美術史を代表する『海の幸』という作品を描いた。僕は(ライアンの映画を)パッと観た瞬間に彼を思い浮かべたんですよね。どちらも、考え抜いて完成度で圧倒するというものではなくて、むしろその完成度を根底から否定するような作風。表面を繕ったり見栄えよくすることが完成度だとは思わないんです。」
と、おっしゃっていました。
作風も人間性も、必ずしも「完璧」とは呼べないけど、その分自由さや生々しさ、人間臭さに満ちている。それがライアンの作品の魅力なんだろうと、改めて痛感する解説でした。
その一方で、「ウォーキング」に関する話題では原田さんから
「歩きの連続写真をそのままトレースして映写しても、あんまり歩いてるようには見えない。ある程度の誇張が必要です。ラーキンの場合、それが徹底的にやられていたので、感覚的に好きで描いているというよりは、しっかり分析して描いているなあ、と思いました。」との指摘が。
黒坂さんからも
「一見、右脳優先で感覚で突っ走っているみたいなんだけど、実はすごくアカデミックで、古典的なところがある。一般的な意味で言う構成、起承転結みたいな面では、でたらめに思われてしまうかもしれない。どこが始めで、どこが終わりかもわからない。でも不思議にそれがバランスがとれているんです。」と、ただ単に感覚だけではない、ライアンの繊細さについての解説を頂きました。
私自身もフンフンとうなずきながら話に聴き入っているうちに、アッという間にイベントの終了時間。最後はお二人が現在制作中の新作の予告編をここだけで特別に上映!
黒坂圭太監督『緑子』、原田浩監督『ホライズンブルー』、『座敷牢 特別編』の3本。
どれも長い時間をかけてご準備されている作品なので、今から完成が楽しみです。
いやぁ、クリエイターの目線ならではの貴重なお話しと、他ではなかなか観られない貴重な映像の上映に、ご来場いただいた皆様にもきっとご満足頂けた20分間だったのではないでしょうか。
そしてそして今週土曜日は、
やくしまるえつこさんと大島輝之さんによる朗読×ギターの即興演奏ライブが待っています!まだまだ続く“ライアン・ラーキン”ムーブメント、みなさん是非何度でも劇場へ足を運んでください!きっとその度に新しい発見に出会えるハズですよ!!
『ライアン・ラーキン 路上に咲いたアニメーション』。
10月3日(土)には、恒例の週末トークショー第3弾を行い、
この日も満席に膨れあがったライズX
(またしても入場頂けなかった皆様、申し訳ありません!!)に、
ゲストの黒坂圭太さん(写真・左)、原田浩さん(同・右)をお迎えしました!
黒坂さんは、数々の国際アニメーション映画祭で受賞歴をお持ちで
海外でも高い評価を得られているアニメーション作家であり、現在は武蔵野美術大学で後進を指導する教授でもいらっしゃいます。
そして原田さんは、「ドラえもん」「めぞん一刻」などの原画、動画を手掛ける一方で、自身も監督作を送り出されているアニメーション演出家。
監督作『地下幻燈劇画 少女椿』はファンの間で熱狂的な支持を受ける伝説の作品です。
今回の上映に当たり、初めてライアンの作品をまとめてご覧になったというご両人ですが、
お二人とも作品に感銘を受けられたようで、その想いを熱く語っていただきました。
作品を観て一番驚いたこと、として
「手書きで描いたことによってできる紙の皺。普通は“その皺は夢を壊すから絶対直せ”って言われるんですよ。ところがライアン・ラーキンをスクリーンで観たら、皺をそのまま撮っていた。それがすごく魅力的で、生々しく、人間味に溢れてるな、と思いましたね。」と、原田さん。
一方、黒坂さんは
「昔、絵を習っていた頃に好きだったのが、明治の画家の青木繁。あの人もやっぱり20歳前後くらいで明治の日本美術史を代表する『海の幸』という作品を描いた。僕は(ライアンの映画を)パッと観た瞬間に彼を思い浮かべたんですよね。どちらも、考え抜いて完成度で圧倒するというものではなくて、むしろその完成度を根底から否定するような作風。表面を繕ったり見栄えよくすることが完成度だとは思わないんです。」
と、おっしゃっていました。
作風も人間性も、必ずしも「完璧」とは呼べないけど、その分自由さや生々しさ、人間臭さに満ちている。それがライアンの作品の魅力なんだろうと、改めて痛感する解説でした。
その一方で、「ウォーキング」に関する話題では原田さんから
「歩きの連続写真をそのままトレースして映写しても、あんまり歩いてるようには見えない。ある程度の誇張が必要です。ラーキンの場合、それが徹底的にやられていたので、感覚的に好きで描いているというよりは、しっかり分析して描いているなあ、と思いました。」との指摘が。
黒坂さんからも
「一見、右脳優先で感覚で突っ走っているみたいなんだけど、実はすごくアカデミックで、古典的なところがある。一般的な意味で言う構成、起承転結みたいな面では、でたらめに思われてしまうかもしれない。どこが始めで、どこが終わりかもわからない。でも不思議にそれがバランスがとれているんです。」と、ただ単に感覚だけではない、ライアンの繊細さについての解説を頂きました。
私自身もフンフンとうなずきながら話に聴き入っているうちに、アッという間にイベントの終了時間。最後はお二人が現在制作中の新作の予告編をここだけで特別に上映!
黒坂圭太監督『緑子』、原田浩監督『ホライズンブルー』、『座敷牢 特別編』の3本。
どれも長い時間をかけてご準備されている作品なので、今から完成が楽しみです。
いやぁ、クリエイターの目線ならではの貴重なお話しと、他ではなかなか観られない貴重な映像の上映に、ご来場いただいた皆様にもきっとご満足頂けた20分間だったのではないでしょうか。
そしてそして今週土曜日は、
やくしまるえつこさんと大島輝之さんによる朗読×ギターの即興演奏ライブが待っています!まだまだ続く“ライアン・ラーキン”ムーブメント、みなさん是非何度でも劇場へ足を運んでください!きっとその度に新しい発見に出会えるハズですよ!!
by ryanlarkin
| 2009-10-05 12:13